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2023年2月1日

大阪シーリング印刷株式会社

濡れているチルド商品に貼れるシール「チルピタ」を開発しました

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大阪シーリング印刷株式会社は、チルド商品などの結露面にも貼り付け可能なラベル「チルピタ」を2022年10月より発売を開始しました。既に「チルピタ」を使用されている企業様の中には、使用前後を比べてラベル脱落数が大幅に減少したという声が上がるなど、高い接着力を誇る商品です。

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「チルピタ」について

結露が発生しやすいチルド商品に貼り付けができるラベルです。
もともと一企業からの相談をきっかけに誕生した商品でしたが、チルド商品のニーズの高まりに伴い、「チルピタ」への注目が集まり、一般販売が決定しました。

「チルピタ」の導入でラベル脱落報告が激減

商品がチルド温度帯から常温などの環境下に移る際、商品の温度が上昇し、チルド商品周りの空気が冷え、商品と貼り付け環境の温度差で結露が発生し、表面に水分が付着する状況が多く発生します。
発生した結露の影響や低温接着性の低さが原因で、ラベルが商品の表面にしっかり貼れず、作業中に何枚も滑り落ちてしまうことが課題でしたが、結露などの水滴面でも安定した接着性能を有するラベルの開発・販売を行うことで、現場から「ラベル脱落に関するクレームが格段に減った」など、お喜びの声をいただけるようになりました。

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OSPが開発した新粘着技術

(1)チルド温度帯での接着力

粘着力は使用条件によって大きく変化します。低温条件下では一般的な粘着剤は固くなり、接着力が落ちてしまいます。そこでチルド温度帯でも柔軟性を保ちやすい新技術を生かした粘着剤を開発し、接着力を保てるようになりました。

(2)結露面への貼り付け時の接着力

商品がチルド温度帯から常温などの環境下に移る際、商品の温度が上昇し、界面の空気が冷やされ、結露が発生し、表面に水分が付着している状況が多く発生します。他のシール・ラベルで使用されている紙基材やキャストコートタック紙を表面紙として使用した場合、結露水の影響により紙がふやけてしまったり、表面側に端部が反り返って剥離の力が働いてしまうことが課題でした。

そこで表面紙の素材を見直し、耐水性にすぐれ、結露面でも影響を受けにくい合成紙を使用することで結露面でのはがれやすさを軽減しました。また既製の粘着剤とテスト比較し、より高い接着力を実現させる粘着剤を使用するなど、水滴面でも安定した接着性能を有する製品が誕生いたしました。製品に使用されているエマルション系の粘着剤は、多種多様なシール・ラベルを開発してきたOSPグループ独自で開発した、環境に配慮したものです。

※接着力のテスト内容:「結露面への接着力の数値」
結露が発生する環境を作り、チルピタの接着力を計測。数値は被着体が表面に結露を発生させたポリオレフィン製のラップの場合。

“濡れても貼り付けられるラベル”の開発

チルピタの誕生は、ある企業様から営業担当に寄せられた相談がきっかけでした。
「チルド商品のラベルが年間で数十件途中ではがれてしまっている。どうにか改善できないでしょうか?」。依頼を受けた営業担当が企業様にヒアリングした結果、当社で扱う既存のラベルでは貼り付けが難しいと判断し、研究開発部門に相談しました。ここから営業部門と、研究開発部門がチームを結成し、企業様の課題を解決するプロジェクトがスタート。お客様のご要望に対して最大限応えようとする、OSPグループ全体の理念である“顧客第一義(※)”の精神が、新たな製品の誕生に繋がりました。

研究部門担当者がお客様の現場まで何度も出向き、「どのような条件下で商品が扱われているか」「どんな状況でラベルの貼り付けが行われているか」などを自身の目で直接確認し、その場で収集した情報をもとに実験を行い、何度も改良とテストを繰り返しました。

企業様から相談をいただいた日から約3年、チルド商品に貼れるラベル「チルピタ」の試作品第一号が完成しました。その後も改良を続け、結果に近づけることに成功し、好評をいただいています。

(※)顧客第一義とは:
OSPグループが創業時から95年間変わらず大事にしている経営理念で、お客様に対して“自分には何が出来るのか”を心から考え、誠実に良い仕事をお届けしようとする思いや姿勢を表しています。

世の中のニーズにマッチした商品

近年、コロナ禍で中食市場が拡大し低温で流通する加工食品のニーズが上昇しています。一人当たりのチルドを含む調理食品の支出も増加を続け、コールドチェーンによる物流量も増加した結果、結露面へのラベル貼り付けに関する相談を寄せられることが年々多くなりました。もともと開発のきっかけとなった企業様専用の商品として生産され続けていましたがニーズの拡大に伴い、一般販売が決定。
今後より多くの物流現場にて、ラベル脱落トラブルの削減に貢献できるよう、全国各地への販路拡大を目指します。

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